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爬虫類や両生類を飼っていると、「もっと栄養バランスの良い餌を与えたい」「デュビアやコオロギだけでは飽きがこないか心配」という悩みを抱えることは少なくありません。そんなときにぜひ注目してほしいのが、ワラジムシです。庭の石の下や落ち葉の中に潜む地味な存在に見えますが、実は爬虫類・両生類にとって優秀なフィーダーインセクトであり、ケージ内の糞や残餌を分解するバイオクリーナーとしても頼もしく活躍します。本記事では、ワラジムシの基本的な特徴や種類から、繁殖ケースの作り方、効率よく増やすコツ、爬虫類への給餌方法、さらにトラブル対処法まで、飼育経験をもとに整理します。これからワラジムシの繁殖を始めたい方も、すでに試しているけれどなかなか増えないと悩んでいる方も、ぜひ最後まで読んでみてください。ワラジムシの繁殖方法をマスターすれば、餌代の節約にもなり、爬虫類飼育の質がグンと上がります。
「餌昆虫、コオロギ・デュビア・ミルワーム…結局どれが正解?」──栄養価・繁殖難易度・コストの3軸で徹底比較します。飼育歴5年の実体験で、あなたの爬虫類に最適な餌が見つかります。
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ワラジムシとは?爬虫類オーナーが注目する3つの理由
ワラジムシ(草鞋虫)は、ダンゴムシと同じ甲殻綱等脚目に属する生き物です。ダンゴムシと混同されがちですが、触ると丸まらずに逃げるのがワラジムシの特徴で、体はやや扁平で動きも素早め。日本全国の庭や公園、雑木林など湿った場所に広く生息しています。爬虫類飼育界隈ではここ数年で一気に注目度が上がり、「フィーダーインセクト」として活用するオーナーが増えています。なぜ今、ワラジムシが選ばれるのでしょうか?主な理由を3つ挙げます。
理由①:カルシウムが豊富で栄養バランスが優秀
ワラジムシの最大の魅力は、カルシウム含有量の高さです。外骨格にカルシウムを多く含むため、コオロギやデュビアと比べても優れたカルシウム源になります。爬虫類・両生類にとってカルシウム不足はクル病(骨代謝疾患)の原因になるため、日頃から意識的に補う必要があります。カルシウムパウダーをダスティングする手間を減らしつつ、自然な形でカルシウムを摂取させられるワラジムシは、特にカメレオン・ヤモリ・トカゲ・カエルなどを飼っているオーナーにとって非常に有用です。
具体的な数値で言うと、ワラジムシの乾燥重量に対するカルシウム含有量は約3〜5%程度とされており、コオロギ(約0.3〜0.5%程度)と比較してもかなり高い水準です。もちろんカルシウムだけ摂れば良いわけではなく、リンとのバランス(Ca:P比)も重要ですが、ワラジムシはこの比率も比較的良好とされています。日常的な給餌にワラジムシを組み込むことで、ダスティングの頻度を週1〜2回から週1回程度に減らせたという声もあります。
理由②:小さな個体から大きな個体まで自然にサイズが揃う
繁殖コロニーを維持していると、産まれたてのごく小さな幼体から、成体まで常にさまざまなサイズが自然に混在します。これは、小型のカエルやベビーのヤモリには小さい個体を、成体のトカゲには大きい個体を、と動物の口のサイズに合わせて選別して給餌できるという大きなメリットです。コオロギのようにサイズ別に管理する手間が省けるのも、忙しいオーナーには嬉しいポイントです。
特に産まれたばかりの幼体ワラジムシ(2〜3mm程度)は、ヒョウモントカゲモドキのベビーやアマガエルの幼体など、極めて小さな口の動物への給餌に活用できます。この極小サイズのフィーダーは意外と入手が難しく、ピンヘッドコオロギでさえ大きすぎるケースがあるため、自家繁殖コロニーを持つ価値はここにもあります。
理由③:デュビアと組み合わせた餌ローテーションが効果的
デュビアゴキブリだけを与え続けると、動物が食べ飽きてしまうことがあります。そこでワラジムシをローテーションに加えることで、食欲の維持と栄養の多様化が同時に実現できます。デュビアが脂質・タンパク質に優れているのに対し、ワラジムシはカルシウム補給という面で補完関係にあります。2種類を組み合わせることで、サプリメントに過度に頼らないバランスの取れた給餌が可能になります。
我が家では、月曜・木曜はデュビア、水曜・土曜はワラジムシ、という形でローテーションを組んでいます。この組み合わせにしてから、ヒョウモントカゲモドキが以前より積極的に餌に反応するようになりました。「同じ餌ばかりで本当に大丈夫か?」と心配していた頃の悩みが嘘のようです。
ワラジムシの種類と入手方法|採集か購入か
ワラジムシと一口に言っても、日本で見られる種類はいくつかあります。フィーダーとして繁殖させる場合は、種類の特性を理解した上で選ぶのがベターです。また、どこで入手するかによっても管理のしやすさが変わってきます。
フィーダーに使われる主な種類
| 種名 | サイズ | 特徴 | フィーダー適性 |
|---|---|---|---|
| オカダンゴムシ(比較用) | 10〜15mm | 丸まる。動きが遅い | △(丸まるため動物が認識しにくいことも) |
| ワラジムシ(Porcellio scaber) | 10〜18mm | 扁平・丸まらない・動きがある | ◎ |
| ホソワラジムシ(Armadillidium vulgare等) | 5〜12mm | 小型・丸まる種もある | ○(小型動物向け) |
| マルムシ類(Armadillo officinalis等) | 8〜15mm | 硬い外殻・動きが遅め | △ |
フィーダーとして最も使いやすいのは、Porcellio scaber(一般的なワラジムシ)です。動きがあるので爬虫類の狩猟本能を刺激しやすく、繁殖力も旺盛。日本の在来種であり、野外での採集も比較的容易です。
近年はオンラインショップやイベントで、海外産のカラーバリエーション(オレンジ・ダルメシアン柄など)のワラジムシも流通していますが、フィーダー用途であれば特にカラーにこだわる必要はなく、丈夫で繁殖力の高い国産のPorcellio scaberで十分です。
採集 vs 購入:どちらがおすすめ?
ワラジムシは、庭の石をめくったり、プランターの下や腐木の周りを探したりすれば無料で採集できます。ただし、野外採集個体は農薬・寄生虫・病原体のリスクがゼロではありません。特に農薬が散布されている可能性のある場所からの採集は避けましょう。安全性を優先するなら、爬虫類専門店やオンラインショップで販売されているCB個体(繁殖個体)の購入がおすすめです。価格は100〜200匹で1,000〜2,000円程度が相場。スターターコロニーとして購入し、そこから自家繁殖させていくのが一般的な流れです。
採集する場合のポイントをひとつ。採集した個体はすぐに本コロニーに合流させず、まず別のケースで2〜3週間ほどトリートメント期間を設けましょう。この間に明らかに弱っている個体や異常が見られる個体を除外することで、コロニー全体へのリスクを大幅に下げられます。面倒に感じるかもしれませんが、コロニー崩壊のリスクを考えると、この手間は十分に価値があります。
繁殖ケースの作り方|器材選びと環境構築のポイント
ワラジムシの繁殖で最初に大切なのが、適切な飼育環境を整えることです。「湿度を保ちながらも通気性を確保する」というバランスが最大のポイントで、ここを外すとコロニーが崩壊してしまうこともあります。必要な器材は多くなく、初期コストを抑えやすいのもワラジムシ繁殖の魅力です。
ケース選び|コバエ侵入を防いで通気性を確保
飼育ケースは、コバエシャッター付きの虫かごや爬虫類用プラケースが適しています。サイズは個体数に応じて選びましょう。100〜200匹からのスタートなら、30×20×20cm程度のプラケースで十分です。コロニーが大きくなったら60×30×30cmクラスに移行します。
- 蓋:通気口があり、コバエが入りにくい細かいメッシュが理想
- 材質:プラスチック製で軽量なものが扱いやすい
- 深さ:床材を5〜8cm敷けるだけの深さが必要
衣装ケースにメッシュの蓋を自作する方法もコスト効果が高くおすすめです。ワラジムシは壁面を登れないため、脱走リスクは比較的低いですが、蓋は必ず閉めてください。なお、コバエが大量発生してしまった経験から学んだことですが、食材の入れ過ぎと湿度過多が主な原因でした。コバエシャッター付きのケースに変えてから、この問題はほぼ解消されました。
床材の選び方|腐葉土+赤玉土のブレンドが
床材は腐葉土が最もおすすめです。腐植質が豊富で、ワラジムシが食料としても利用でき、保湿性も高く、バクテリアの活動も促します。ただし腐葉土100%では水はけが悪くなりすぎることがあるため、赤玉土(小粒)を2〜3割ブレンドすると通気性と保湿のバランスが取れて管理しやすくなります。
- 腐葉土:70〜80%(保湿・栄養源)
- 赤玉土(小粒):20〜30%(排水性・通気性の向上)
- 厚さ:5〜8cm(ワラジムシが潜り込める深さ)
市販の爬虫類用ココナッツファイバーや黒土でも代用できますが、腐葉土ほどの自然な環境を再現しにくいため、最初から腐葉土を使うことをおすすめします。農薬不使用の腐葉土を選ぶことも重要です。ホームセンターで売っている腐葉土は原料がさまざまなので、できれば有機農業用や園芸グレードの腐葉土を選ぶと安心です。
隠れ家(シェルター)の設置が繁殖を加速する
ワラジムシは本来、石の下や樹皮の裏などに潜んで生活しています。繁殖ケース内にも同様の隠れ家を再現することで、個体が安心して産卵・脱皮を行えるようになります。おすすめのシェルター素材は以下の通りです。
- コルクバーク(市販品、通気性が良く腐りにくい)
- 卵トレー(段ボール製・表面積が広く隠れ家が多い)
- 割り箸や割った割り木(加熱殺菌済みのもの)
- 木炭(消臭効果もある)
卵トレーを縦に数枚立てて配置するだけで表面積が格段に増え、コロニーの収容密度が上がります。脱皮中の個体は特に無防備になるため、隠れ家の充実はコロニーの生存率に直結します。個人的に特におすすめなのがコルクバークで、腐りにくく、ワラジムシが好む湿り気を保ちやすく、見た目も悪くない。ケース内を開けるたびにコルクの下にワラジムシがびっしり集まっているのを確認できると、「ちゃんと定着してくれているな」と安心します。
ワラジムシの繁殖方法|個体数・食料・湿度の三位一体管理
環境ができたら、いよいよ繁殖のコアとなる管理方法です。ワラジムシの繁殖を軌道に乗せるには、個体数(性比)・食料の質と量・湿度と温度の3つを同時に最適化することが重要です。どれか一つが欠けても繁殖ペースは落ちてしまいます。
オスとメスの比率|混雌環境でコロニーを安定させる
ワラジムシのオスとメスは見た目ではなかなか判別しにくいですが、複数匹(20匹以上)をまとめて飼育することで自然と繁殖が始まります。単独飼育や少数飼育では繁殖効率が落ちるため、最初からある程度まとまった数でスタートするのがコツです。
メスは孵化した幼体を腹部の育児嚢(マルスピウム)で保護し、ある程度育ってから外に出します。この期間はおよそ3〜6週間。温度が高めだと発育が早まる傾向があります。繁殖が軌道に乗ったら、定期的に個体を取り出して給餌に使いながらも、コロニーの最低個体数(50匹以上)を常に維持することを意識しましょう。取り出しすぎてコロニーを崩壊させてしまうのが、初心者がやりがちな失敗の一つです。
目安として、コロニーが100匹を超えたら週に10〜20匹程度取り出して給餌に使うのが持続可能なペースです。200匹を超えてくると加速度的に増えるので、そこからは取り出しペースを上げても問題ありません。
食料の充実が繁殖速度を左右する
ワラジムシは雑食性で、植物質・動物質どちらも食べます。食料が豊富であればあるほど繁殖が促進されるため、与える食材のバリエーションを意識することがポイントです。
| 食料の種類 | 具体例 | 効果・注意点 |
|---|---|---|
| 落ち葉・枯れ葉 | クヌギ・コナラ・桜の落ち葉 | 主食として最適。農薬未使用のものを使う |
| 野菜くず | ニンジン・カボチャ・ほうれん草 | 水分補給にもなる。腐敗には注意 |
| 果物の皮 | リンゴ・バナナの皮 | 糖分が繁殖を促す。カビが生えやすいので少量ずつ |
| 動物性タンパク質 | 魚粉・乾燥エビ・ドライフード | 週1回程度少量。与えすぎると臭いが出る |
| カルシウム補給 | 卵の殻・カトルボーン | 常時置いておくと脱皮サポートになる |
食料は腐らせる前に取り除くことが基本ですが、落ち葉や枯れ木は少し分解が進んでいる方がワラジムシには食べやすいため、意図的に少し古いものを使うのもテクニックの一つです。野菜は2〜3日で取り替え、常にケース内を清潔に保ちましょう。
特に効果を感じたのは、卵の殻を常時入れておくことです。カルシウム補給になるだけでなく、脱皮後の個体が積極的に卵の殻をかじっているのを何度も確認しました。脱皮はワラジムシにとって非常に体力を消耗するイベントなので、脱皮後すぐにカルシウムを補給できる環境を整えておくことは生存率に直結します。
湿度と温度の管理|乾燥と過湿の両方に注意
ワラジムシは高湿度を好みますが、水浸しになるのは厳禁です。理想の湿度は60〜80%程度で、床材の一部が常にしっとりしている状態を目指します。管理の目安は「床材を手で握ったとき、水が出ない程度にしっとりしている」状態です。
- 霧吹き:2〜3日に1回、床材の片側のみに霧吹きする(全体に霧吹きしない)
- 勾配:ケースの片側が湿っていて、もう片側がやや乾燥している「湿度勾配」を作ると、個体が好みの場所を選べる
- 過湿のサイン:床材の表面に白いカビが生える・異臭がする → 通気性を改善し乾燥気味に管理
- 乾燥のサイン:個体が床材の中に潜り込まず表面に集中・死亡個体が増える → 霧吹き頻度を上げる
温度は20〜27℃が適温です。25℃前後が繁殖速度のピークで、20℃を下回ると繁殖ペースが急激に落ちます。冬場は爬虫類用のパネルヒーターをケースの側面に当てるか、暖かい室内(25℃前後の部屋)に移動させると繁殖ペースを維持できます。
爬虫類への給餌方法|ワラジムシの出し方と注意点
コロニーが安定して増えてきたら、いよいよ本命の給餌です。ワラジムシは動きが素早く、ケージ内に放すと隅に逃げ込んでしまうこともあります。給餌の際はいくつかのコツを押さえておくと、動物がしっかり食べてくれるようになります。
給餌の基本手順
コロニーケースから個体を取り出す際は、シェルター(コルクバークなど)を持ち上げてその下に集まっているワラジムシを、プラスチックスプーンやトングで掬い取るのが最も効率的です。ピンセットで1匹ずつつまむと個体にダメージを与えてしまうことがあるため、できればスプーンや小さな容器を使いましょう。
- 容器に集める:一度小さなカップに必要な数を移し、そこからケージに入れると数を管理しやすい
- 冷蔵でテンポを落とす:素早すぎて動物が追いきれない場合は、5〜10分冷蔵庫に入れると動きが鈍くなり食べやすくなる(ただし長時間はNG)
- 餌入れを活用:滑りやすい素材(プラスチック製など)の餌入れに入れると逃げにくくなる
ヤモリやトカゲは動く餌に強く反応するため、基本は生きたまま給餌するのがベストです。カエルなど視力で獲物を認識する動物には特に有効で、ワラジムシが動き回ることで「餌だ」と認識させやすくなります。
給餌に向いている爬虫類・両生類の種類
ワラジムシはすべての爬虫類に向いているわけではありません。主に昆虫食・雑食の種に有効です。
- ◎ ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)
- ◎ クレステッドゲッコー
- ◎ フトアゴヒゲトカゲ(幼体〜亜成体)
- ◎ ニホントカゲ・カナヘビ
- ◎ ヤドクガエル・ツノガエル類
- ◎ 各種カエル(アマガエル・コパアマガエルなど)
- △ 肉食性の強いモニターやヘビ(補助的に使うのは可)
- ✕ 草食性が強い種(リクガメなど)
ニホントカゲは子供の頃に畑で捕まえたことがあるのですが、あの子たちは本当に動くものなら何でも飛びつく勢いで食べてくれます。ワラジムシの動きはちょうど自然界で食べているものに近いのか、飼育下のニホントカゲへの反応は非常に良い印象です。
バイオクリーナーとしての活用|ケージ内に直接導入する方法
ワラジムシの活用法は給餌だけではありません。テラリウム・ビバリウムのケージ内に直接ワラジムシを住まわせることで、糞・残餌・枯れた植物を分解するバイオクリーナーとして機能させることができます。これが「ビオトープ型飼育」の考え方で、特に爬虫類テラリウムの世界では定番の手法になっています。
バイオクリーナー導入の手順
ケージ内にワラジムシを導入する場合は、床材をしっかり整えてから行います。以下の手順が基本です。
- 床材を厚めに(5〜10cm)敷き、落ち葉や腐木片を混ぜ込む
- ワラジムシを20〜50匹程度ケージ内に投入する
- ワラジムシが定着するまで2〜3週間は餌として取り出さない
- コロニーが安定したら、自然に増えた分が爬虫類の自発的な捕食対象になる
この方法の利点は、ケージ内の衛生管理が劇的に楽になることです。爬虫類の糞をワラジムシが分解してくれるため、底床の汚れが抑えられ、丸洗いの頻度を大幅に減らせます。観葉植物を植えたテラリウムでは、ワラジムシが土壌の通気性を改善し植物の根腐れ防止にも貢献します。
注意点としては、ケージ内の爬虫類が小さい場合は逆にワラジムシに食べられてしまうリスクもゼロではないため、動物のサイズに合わせて導入数を調整してください。基本的に健康な成体なら問題ありませんが、脱皮中や体調不良の個体がいるときは一時的に隔離するのが安全です。
よくある失敗と対策|初心者がハマりがちな落とし穴
ワラジムシの繁殖は「簡単」と言われますが、それでも最初のうちはいくつかのつまずきポイントがあります。実際に経験した失敗と、そこから学んだ改善策を正直にまとめます。
失敗①:コロニーが突然全滅した
繁殖を始めて2ヶ月ほど経ったとき、ある朝ケースを開けたら9割の個体が死んでいた、という経験があります。原因を調べると、過湿によるカビの爆発的な増殖でした。野菜を入れすぎて腐敗し、ケース内の湿度が上がりすぎたのが引き金でした。
対策:野菜は入れる量を少なく(ワラジムシの頭数の10分の1程度の体積が目安)、2〜3日以内に取り除く。カビが生えているのを発見したらすぐに取り出し、ケースの蓋を少し開けて通気を改善する。床材のカビが広がっているなら、清潔な床材への部分交換を行う。
失敗②:なかなか増えない・繁殖がスタートしない
購入した個体を入れてみたものの、2〜3ヶ月経っても個体数が増えないということがあります。原因の大半は温度不足か、個体数が少なすぎることです。
対策:まず温度計を使って実際の環境温度を確認しましょう。20℃以下だと繁殖はほぼ止まります。個体数は最低でも50匹以上から始めることをおすすめします。少数からスタートしてもゆっくりは増えますが、軌道に乗るまでに数ヶ月かかります。最初に100〜200匹を購入してドカンと始めると早期に軌道に乗りやすいです。
失敗③:コバエが大量発生して手に負えなくなった
ワラジムシ繁殖あるあるの悩みが、コバエです。食材の腐敗に引き寄せられるショウジョウバエやキノコバエが繁殖すると、ケースを開けるたびに飛び散って大変なことになります。
対策:コバエシャッター付きのケースへの変更が最も効果的です。また、食材を与えすぎないこと、野菜は切らずに塊のまま入れて腐敗面積を減らすこと、食べ残しを2〜3日で必ず撤去することで、かなり抑えられます。それでも発生する場合は、ケース周辺にコバエトラップ(市販品)を置くと被害を最小化できます。
失敗④:ワラジムシが餌として食べてもらえない
コロニーを立ち上げたのに、爬虫類がワラジムシを食べてくれないというケースもあります。特にコオロギやデュビアしか食べたことがない個体に新しい餌を認識させるのは、最初少し時間がかかることがあります。
対策:いきなりワラジムシだけにするのではなく、普段の餌と一緒にケージに入れるところから始めましょう。偶然ワラジムシを食べてくれた経験を積ませることで、「これも餌だ」と学習します。また、前述のように冷蔵庫で少し動きを鈍くしてから与えると、動物が追いかけやすくなり成功率が上がります。
体験談|ワラジムシ導入でレオパ飼育が変わった話
我が家ではヒョウモントカゲモドキ(レオパ)を3匹飼育しています。もともとデュビア一本で管理していたのですが、1匹が急に食欲不振になったことがきっかけで、ワラジムシの繁殖を始めました。
最初はワラジムシ100匹からスタート。腐葉土と赤玉土を混ぜた床材を敷いたプラケースにコルクバークを数枚入れて、落ち葉と卵の殻を常備する形で管理を始めました。2ヶ月後には明らかに個体数が増えており、コルクバークの下を確認するたびに産まれたての白い幼体がたくさん確認できるようになりました。
食欲不振だったレオパに小さなワラジムシを見せると、最初は無視していたのが3回目くらいで飛びついた。そこからは「ワラジムシ=食べもの」と認識してくれたようで、その後はデュビアと交互に食べてくれるようになりました。今では3匹とも週2〜3回の餌やりのうち1〜2回はワラジムシを使っています。カルシウムパウダーのダスティングも以前の半分程度に減らしましたが、健康診断でも問題なし。ワラジムシを繁殖させるのに月300〜500円程度のランニングコストで済んでいることを考えると、コストパフォーマンスは抜群だと感じています。
まとめ|ワラジムシ繁殖は爬虫類飼育の「縁の下の力持ち」
ワラジムシは地味で目立たない生き物ですが、爬虫類飼育の視点から見ると非常に優秀なパートナーです。カルシウム豊富なフィーダーとしての役割、ケージ内のバイオクリーナーとしての役割、どちらも他のフィーダーでは代替しにくい独自の強みがあります。繁殖自体も難しくなく、最低限の管理で増やし続けることができます。
繁殖のポイントをもう一度まとめると、
- 環境:腐葉土+赤玉土のブレンド床材、コルクバークや卵トレーのシェルター、コバエシャッター付きケース
- 食料:落ち葉(主食)+野菜くず(水分補給)+卵の殻(カルシウム補給)のセット
- 湿度:ケースの片側のみ霧吹き、湿度勾配を作る。過湿に注意
- 温度:20〜27℃を維持。25℃前後が繁殖のベスト温度
- 個体数:100匹以上をキープ。取り出しすぎてコロニーを枯らさない
もし「コオロギの鳴き声がうるさい」「デュビアだけだと飼育が単調」と感じているなら、ワラジムシ繁殖は本当におすすめです。静かで臭いも少なく、繁殖のサイクルが回り始めると安定して餌の供給ができる。爬虫類飼育の質を上げたい方は、ぜひ一度試してみてください。
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