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この記事は、筆者がカナヘビを飼った経験談ではありません。図鑑・国の調査資料・飼育解説・獣医向けの資料に書かれていることを整理したものです。数字は資料によって幅があるので、気になるところは末尾の参考資料も確かめてください。
カナヘビの卵がかえった、庭で小さなカナヘビを見つけた。そんなとき最初に困るのは「何を食べさせるか」「どんな入れ物で飼うか」だと思います。
ニホンカナヘビは、卵が産まれてから約2か月でかえり、生まれたときの全長は5〜6cmほどです。そこからほぼ1年で大人の大きさになります(Hondaの生きもの図鑑)。この記事では、赤ちゃんのうちに気をつけたい「入れ物」「餌」「水」「温度と光」「食べないとき」「冬の扱い」を順に整理します。
まず知っておきたい、赤ちゃんカナヘビの大きさと育ち方
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 生まれたときの大きさ | 全長5〜6cmほど。卵は産卵から約2か月でかえる(Honda) |
| 大人の大きさ | 全長16〜27cm。尾が全体の約3分の2(Honda)。頭胴長50〜70mm、体重2〜8g(国土交通省の資料) |
| 大人になるまで | ほぼ1年(Honda) |
| 自然の中での餌 | 昆虫・クモ・ワラジムシなど、地面にいる小さな虫(Honda) |
| 冬 | 11月ごろに土の中にもぐって冬を越す(Honda) |
| 寿命 | 約7年(国土交通省の資料)、10年程度(Honda)と資料によって違う |
生まれたときの5〜6cmのうち、3分の2ほどは尾です。体そのものはとても小さく、口に入る餌も限られます。
かえったら:大人とは分けて、小さなケースで
アットホームの飼育解説では、生まれたばかりの幼体は乾燥や温度の変化に弱いので、専用の小さなケースで管理するのが望ましいとしています。大人のカナヘビと一緒にすると、食べられたり事故が起きたりするおそれがあるため、分けて飼うよう書かれています。
何匹も同時にかえった場合も、ケースを分けておくと、どの子がどれだけ食べたかを確かめやすくなります。
ケースの大きさ
大人1匹なら幅30〜45cmほど、できれば30cm四方以上が目安とされています(アットホーム)。赤ちゃんのうちは小さなケースから始め、育つにつれて大きくしていきます。小さなケースなら、入れた虫を食べたかどうかを外から確かめやすくなります。
カナヘビはすき間から逃げます。ふたは、体が通り抜けられない目の細かい網にするよう勧める解説もあります(All About・星野一三雄さん)。赤ちゃんは体が細いので、ふたのすき間は特に気をつけてください。
床材
ヤシガラ土、爬虫類用のマット、農薬の使われていない赤玉土などが挙げられています。粒が極端に大きいものは、誤って飲み込むおそれがあるので避けるとされています(アットホーム)。
餌:口に入る小さな生きた虫を
飼育下では、イエコオロギやミルワームなどの生きた虫が基本とされています(アットホーム)。赤ちゃんには、ペットショップで「SS」「ピンヘッド」などと表示されている、生まれて間もない小さなコオロギを選びます。口に入らない大きさの虫は食べられません。
- 回数:大人は週2〜3回、数分で食べきれる量が目安。成長期の幼体は、それより多めの回数で与えることがあるとされています(アットホーム)。
- 食べ残し:残った虫は取り出して、ケースを清潔に保ちます。
- 自然の餌:クモやワラジムシなども食べます(Honda)。野外で集めた虫を与えるなら、農薬が使われていない場所のものにしてください。
カルシウム剤
カルシウム剤やビタミン剤を餌に加えることが望ましいとされています(アットホーム)。どのくらいの量を、どのくらいの間隔で使うかは製品によって違います。製品の表示に従ってください。
獣医向けの資料では、飼われている爬虫類、特にトカゲの幼体に多い病気として、紫外線の不足や、カルシウム・ビタミンD3の不足から起きる骨の病気(代謝性骨疾患)が挙げられています(Unusual Pet Vets)。成長期の赤ちゃんほど、カルシウムと次の項目の紫外線が大切です。
水:毎日きれいな水と、霧吹きの水滴
水入れの水は毎日替えて、入れ物も清潔にしておきます。カナヘビは、霧吹きでケースの壁や葉についた水滴をなめることもあります(アットホーム)。
赤ちゃんは体が小さいので、水入れを置くなら浅いものにします。あわせて霧吹きで壁や葉に水滴をつけておくと、飲む機会が増えます。霧吹きのしすぎでケースの中がずっと湿ったままになると、カビの原因になるので、風通しも確保してください。
温度と光:温かい場所と、紫外線
アットホームの飼育解説に書かれている目安は次のとおりです。
| 場所・時間 | 目安 |
|---|---|
| 体を温める場所(バスキングスポット) | 30〜35℃程度 |
| ケースの中(昼) | 25〜30℃(「25℃前後」とする箇所もある) |
| 夜 | 数字の記載なし。多少下がってもよいが、急な温度の変化は避ける |
ケース全体を同じ温度にするのではなく、一部だけを温かくして、カナヘビが涼しい側へ移れるようにしておきます。ライトを置いただけでは、実際の温度は分かりません。温度計で測って確かめてください。
紫外線ライト
爬虫類用の紫外線ライト(UVB)を使うよう勧められています。交換の目安は半年〜1年ごとです。ガラス越しの日光では紫外線が十分に届かないとされています(アットホーム)。光って見えていても、紫外線が弱くなっていることがあります。使い始めた日を書いておくと、交換の時期を忘れません。
外での日光浴を勧める解説もありますが、直射日光では熱くなりすぎる危険があります。日陰と隠れ家を用意し、暑い時間を避け、そばを離れないようにと注意されています(All About・星野一三雄さん)。
食べないときに確かめること
- 温度:温かい場所が30℃前後になっているか、温度計で確かめる。
- 餌の大きさ:口に入らない大きさの虫になっていないか。小さいサイズに替えてみる。
- 水:水入れの水を替えているか、霧吹きの水滴があるか。
温度や餌の大きさを直しても食べない日が続く、手足の動きがおかしい、やせてきた、といった場合は、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。獣医向けの資料でも、気になる症状があれば獣医師に相談するよう勧めています(Unusual Pet Vets)。口をこじ開けて食べさせるのは体に負担がかかるので、自己判断ではしないでください。
冬はどうする? 野外で見つけた赤ちゃんの場合
ニホンカナヘビは、11月ごろに土の中で冬を越します(Honda)。飼育下での冬越しは難しいとして、春に捕まえて冬になる前に逃がす飼い方を勧める解説があります(All About・星野一三雄さん)。逃がすときは、必ず捕まえた場所に戻します。お店やネットで入手した個体は、逃がしてはいけないとも書かれています。
秋にかえった赤ちゃんを飼い続けるなら、冬のあいだも温度と紫外線を保てる設備が必要になります。
まとめ:赤ちゃんカナヘビを迎えたら確かめること
- 大人とは分けて、小さなケースで飼う。ふたのすき間をなくす。
- 餌は口に入る小さな生きた虫(SS・ピンヘッドなどのコオロギ)。食べ残しは取り出す。
- カルシウム剤は製品の表示どおりに使う。
- 水は毎日替え、霧吹きで水滴もつける。
- 温かい場所は30〜35℃程度、ケースの中は25〜30℃が目安。温度計で測る。
- 紫外線ライトを使い、半年〜1年で交換する。
- 食べない日が続くときや、体の様子がおかしいときは、爬虫類を診られる動物病院へ。
- 野外で捕まえた子は、冬の前に捕まえた場所へ戻すことも考える。
参考資料
- Honda 生きもの図鑑「ニホンカナヘビ」(大きさ・孵化・成長・餌・冬越し・寿命)
- 国土交通省 中部地方整備局の資料(天竜川周辺の生きもの・カナヘビ)(全長・頭胴長・体重・寿命)
- アットホーム「カナヘビの飼い方」(望月紗貴さん)(温度・紫外線ライト・餌・水・床材・幼体の管理)
- All About「ニホンカナヘビの飼い方」(星野一三雄さん)(ふた・日光浴・冬の扱い・逃がす場所)
- Unusual Pet Vets「Metabolic Bone Disease」(英語)(紫外線・カルシウム不足と骨の病気)
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