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この記事は、筆者がガーゴイルゲッコーを飼った経験談ではありません。海外の飼育解説、大学の爬虫類飼育施設の資料、ニューカレドニアの生きものの資料に書かれていることを整理したものです。温度や湿度の数字は資料によって幅があるので、気になるところは末尾の参考資料も確かめてください。

ガーゴイルゲッコーは、頭のごつごつした突起が特徴のヤモリです。見た目や飼い方がクレステッドゲッコー(クレス)と似ているので、どちらにするか迷う人も多いと思います。

この記事では、ガーゴイルゲッコーを迎える前に知っておきたい「どんな生きものか」「ケースの大きさ」「温度と湿度」「光」「餌」「触り方」「体調の見方」を、資料に書かれている数字と一緒に順に整理します。

ガーゴイルゲッコーはどんなヤモリ?

項目 資料に書かれていること
学名・分類 Rhacodactylus auriculatus。イシヤモリ科(Diplodactylidae)ミカドヤモリ属。和名はツノミカドヤモリ(Wikipedia英語版・日本語版)
すんでいる所 ニューカレドニア本島(グランドテール)の南部だけ。低木の林や林の空き地にすみ、木の上と地面の両方を使う(BGSU爬虫類館・Wikipedia)
活動する時間 夜(Wikipedia)
大人の大きさ 全長20〜25cmほど、体重45〜65gほど(ReptiFiles)。全長18〜23cm・60〜70gとする資料もある(Wikipedia)
生まれたとき 頭から尻までが約2.5cm、体重約3g(Wikipedia)
寿命 飼育下で15〜20年(ReptiFiles・Reptiles Magazine)。平均15年とする資料もある(BGSU爬虫類館)
野生での数 IUCNのレッドリストでは「低懸念」(2021年の評価)。すみかの森が減っていることが心配されている(Wikipedia)

15〜20年生きるので、迎えるときは長く世話を続けられるかも考えておきたいところです。

クレステッドゲッコーとの違い

ガーゴイルゲッコーとクレスは、どちらもニューカレドニアのヤモリで、同じ種類の人工フードで飼えます。分かりやすい違いは次の2つです。

  • 見た目:クレスは目の上から背中にかけてとさかのような突起が並びます。ガーゴイルゲッコーは頭にごつごつした突起があります。
  • 尾:ガーゴイルゲッコーは尾が切れても、時間をかけて生えてきます(ReptiFiles)。生えた尾はうろこの並びが元とは違います(Reptiles Magazine)。クレスは尾が切れると生えてきません(Wikipedia「Crested gecko」)。

性格について、ReptiFilesは「おだやかで、手に乗せやすい」「初めての爬虫類にも向く」と書いています。ただし、オス同士を一緒にするとけんかをして大けがをすることがあり、ここはどの資料も注意しています(後の「1匹ずつ飼う」を参照)。

ケース:高さのあるものを1匹に1つ

ケースの大きさは、資料によってかなり違います。

資料 大人 赤ちゃん
ReptiFiles 体重12gを超えたら、幅45×奥行45×高さ90cm以上 12g未満は30×30×30cm以上
Reptiles Magazine 約76L(20ガロン)の、ふたが網のケース 大きめのプラケースか約38L(10ガロン)のケース
BGSU爬虫類館 1匹なら約38L(10ガロン)。高さのあるもので、ふたは網 赤ちゃん・若い個体は大人と分ける

どの資料も、木の上も使う生きものなので高さがあること、空気が通るよう網のふたにすることを勧めています。枝の細い植物(本物でも作り物でも)を入れて登れる場所を作り、とがった小枝のあるものは避けるよう書かれています(BGSU爬虫類館)。

1匹ずつ飼う

ReptiFilesは、オス同士と、大きさの違う個体同士は「絶対に一緒にしない」としています。オス同士は激しくけんかをして死なせることもあり、大きな個体が小さな個体を食べてしまうこともあるためです。オスとメスを一緒にすれば繁殖して卵を産むので、繁殖させるつもりがなければ一緒にしません。初めて飼うなら、1匹に1つのケースが安全です。

温度:日中は25〜28℃前後、30℃を超えないように

資料 日中 夜 上限・下限
ReptiFiles 25〜29℃(温かい場所は29℃、涼しい場所は22〜23℃) 20〜25℃ 30℃より上、18℃より下にしない
Reptiles Magazine 26〜28℃ 20℃台前半 夏に約30.5℃を超えるなら涼しい部屋へ移す
BGSU爬虫類館 21〜29℃ 29℃を超えないように

3つの資料に共通するのは「暑さに弱い」ことです。日本の夏は部屋の温度が30℃を超えやすいので、エアコンで部屋ごと温度を保つことを考えておきます。

ケースの中には、温かい場所と涼しい場所の両方を作り、ガーゴイルゲッコーが自分で選べるようにします。温める器具はケースの片側だけに置くよう書かれています(Reptiles Magazine)。温度は感覚ではなく、温度計で実際に測ってください。

湿度:夜にしっかり霧吹き、朝までに乾かす

ReptiFilesは、ふだんの湿度を50〜70%とし、次のような霧吹きのしかたを勧めています。

  • 夕方〜夜:たっぷり霧吹きをして、湿度を80〜100%まで上げる。
  • 朝:軽く霧吹きをする。
  • 次に霧吹きをするのは、湿度が50%くらいまで下がってから。

Reptiles Magazineも、湿度は50%以上、できれば70%とし、乾燥しやすい地域では毎晩軽く霧吹きをするよう書いています。ずっと濡れたままにせず、一度乾く時間を作るのがポイントです。どちらの資料も、霧吹きとは別に浅い水入れを置くよう勧めています。

湿度は温度と同じく、目で見ても分かりません。温度と湿度を一緒に測れる温湿度計があると、霧吹きのタイミングを決めやすくなります。

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光:紫外線ライトは「あったほうがよい」と「なくてもよい」の両方がある

夜に活動するヤモリなので、紫外線ライトについては資料の意見が分かれています。

  • ReptiFiles:すべての爬虫類に紫外線ライトを勧める立場。ガーゴイルゲッコーには弱めのもの(日陰を好む種類向けの製品)を、ケースの上から当てる使い方を紹介しています。
  • Reptiles Magazine:餌にビタミンD3が含まれていれば、紫外線ライトは必要ないとしています。
  • BGSU爬虫類館:特別な照明は要らない。窓の近くの自然な明るさでよいが、直射日光は当てない。

どちらにする場合も、昼と夜の区別をつけることは共通です。ReptiFilesは明かりをつける時間を1日12時間としています。紫外線ライトを使うかどうかで、次に書くカルシウム剤の選び方が変わります。

餌:人工フードが中心、虫はときどき

人工フード

主食は、クレステッドゲッコー用として売られている粉末の人工フードです。水で溶いて皿に入れます。ReptiFilesは、栄養のそろったブランドとしてパンゲア、レパシー、ズーメッドなどを挙げています。逆に、離乳食(ベビーフード)は人工フードの代わりにならないとしています(保存料が入っていて、栄養の割合も合わないため)。

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与える回数の目安

人工フード 虫
赤ちゃん・若い個体 毎日 1日おき
大人 1日おき 週2回

(ReptiFiles)大人なら、月に2〜4回食事を抜く日があってもよいとされています。Reptiles Magazineは、人工フードを週3回与え、24〜36時間たったら取り替えるやり方を紹介しています。古いフードは傷むので、出しっぱなしにしないでください。

水入れには毎日新しい水を入れます。ReptiFilesは、蒸留水や浄水器(逆浸透)の水ではなく、ふつうの水を勧めています。

虫の大きさとカルシウム剤

コオロギやデュビアなどの虫は、ガーゴイルゲッコーの「両目のあいだの幅」より大きくないものを選びます(ReptiFiles)。野外でとったイモムシ(スズメガの幼虫)は毒があるので与えないよう書かれています。

虫には、カルシウム剤をまぶしてから与えます(ReptiFiles・BGSU爬虫類館)。ReptiFilesは、紫外線ライトを使っている場合はビタミンD3の入っていないカルシウム剤、使っていない場合はD3入りを使うよう分けています。量や回数は製品によって違うので、製品の表示に従ってください。

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触り方:迎えて2週間は触らない

ReptiFilesは、迎えてからおよそ2週間、またはきちんと餌を食べるようになるまでは触らないよう書いています。慣れてきたら、次の順で少しずつ触る時間を延ばします。

  • 最初は1回5分ほどを、1日おきに。
  • 落ち着いていられるようになったら、1日15分ほどまで。
  • よく慣れても、1日20分を超えないようにする。

びっくりすると跳ぶことがあるので、ベッドやソファの上など、落ちても柔らかい場所の上で触ります(ReptiFiles)。

かまれることはまれで、ほとんどはこちらが何かしたときだとされています。大人にかまれると血が出ることがありますが、急いで病院に行くほどではなく、せっけんと水で洗えばよいとしています(ReptiFiles)。若い個体もかむことがあり、皮膚が浅く切れて血が出ることがあると書かれています(Reptiles Magazine)。

尾は切れることがありますが、ガーゴイルゲッコーではよくあることで、大人が尾のない状態で売られていることも多いとされています(Reptiles Magazine)。それでも、尾をつかむのは避けてください。

体調の見方:週に1回、体重を量る

ReptiFilesは、週に1回体重を量り、体重・食べた量・様子・脱皮を記録しておくことを勧めています。急に体重が減ったときは、病気のことが多いとしています。キッチンスケールなど、グラム単位で量れるはかりがあれば十分です。

体重が減り続ける、何日も食べない、脱皮の皮が指先に残る、といったときは、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。近くに爬虫類を診られる病院があるかは、迎える前に調べておくと安心です。

まとめ:迎える前に確かめること

  • 15〜20年生きる。長く世話を続けられるか考える。
  • ケースは高さがあって網のふたのものを、1匹に1つ。オス同士・大きさの違う個体は一緒にしない。
  • 暑さに弱い。日中は25〜28℃前後、30℃を超えないように。夏はエアコンで部屋ごと保つ。
  • 湿度はふだん50〜70%。夜にたっぷり霧吹きをして、朝までに乾かす。温湿度計で測る。
  • 紫外線ライトは資料で意見が分かれる。使うかどうかでカルシウム剤(D3あり・なし)を選ぶ。
  • 餌はクレステッドゲッコー用の人工フードが中心。虫は両目のあいだより小さいものに、カルシウム剤をまぶす。
  • 迎えて2週間は触らない。触るのは柔らかい場所の上で、短い時間から。
  • 週に1回体重を量る。急に減ったら爬虫類を診られる動物病院へ。

参考資料

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